トルコが国内3カ所にイノベーションセンター開設、経済構造の刷新に向け

トルコが経済構造の刷新に向けイノベーションセンターやモデル工場の設置を進めている。起業家精神(アントレプレナーシップ)や新しい生産技術の浸透を目指すこれらの施設は、地域のエコシステムの充実や企業誘致の促進などを目的としたもの。コンサルティングや新技術について啓発する活動などが実施されており、新しい企業の設立や雇用の創出につながっている。政府はこれらの拠点を通して産業の構造転換や企業の世界市場への進出を後押ししようとしている。

イノベーションセンターやモデル工場の設置は、隣国シリアに由来する様々な危機に対応するための「トルコ・レジリエンスプロジェクト(TRP)」の一部をなすもので、欧州連合(EU)の支援の下、同国の産業技術省と国連開発計画(UNDP)が協力して運営にあたる。

関連施設はエーゲ海沿岸の都市イズミルや同国南東部のガジャンテップ、南部のメルシンなどに置かれている。当該施設の主たる目的は、アントレプレナーシップ、制度化、プロセスイノベーション、デジタル化、リーン生産といった概念や仕組みを啓発することで、企業が産業の変革に備えられるようにすることだ。施設の例として、メルシンにあるイノベーションセンターとモデル工場の面積は5,000平方メートル。地域開発を目的とする政府機関のキュクロバ開発庁と中小企業開発機構(KOSGEB)が協力して運営しており、アントレプレナーシップ養成のプラットフォームとして機能している。

これらの施設を設置することで新たに2,000人の雇用が生まれたほか、合弁企業を含む150の企業の設立につながっている。起業家や企業関係者は同施設が提供する相談や研修などのサービスを無料で受けることが可能だ。

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