自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は16日、車台とソフトウエア、電池、移動サービスの4分野でグループブランドの技術プラットホームを大幅に統合すると発表した。規模の効果でコスト削減と開発の加速を図り、電動車やコネクテッドカーをより多くの消費者に提供できるようにすることが狙い。ヘルベルト・ディース社長は「電動化とデジタル化は自動車を前例のないスピードで根本的に変える。この2つのテーマにとって規模の効果は決定的に重要だ」と述べた。
VWは電気自動車(EV)用車台を2種類、開発した。1つは大衆車用の「MEB」、もうひとつは高級車用の「PPE」だ。同社は今回、2020年代半ばまでに次世代車台「SSP(スケーラブル・システム・プラットホーム)」を開発することを明らかにした。拡張性の高い車台設計とし、全グループブランドのすべてのセグメントの車両に投入する。
同社は独自開発の車載OS「VW.OS」をMEBモデルに搭載し始めている。今年から市場投入する予定のPPE採用車にも同OSの1.2バージョンを搭載する予定。SSP採用車の投入後は全グループの車両に2.0バージョンを搭載する。
電池については23年から「統合セル」を導入。30年までにグループブランドの電動車の約80%に搭載する。