ドイツ連邦統計局が19日発表した2月の生産者物価指数は前年同月を1.9%上回り、上げ幅は2019年5月以来1年9カ月ぶりの高い水準となった。製造業の景気回復を受けて中間財が3.8%増と3年3カ月来の大きな伸びとなったことが最大の押し上げ要因。エネルギーも3.7%上昇した。エネルギーを除いた生産者物価の上昇率は1.4%だった。
中間財では非鉄金属が11.0%、銑鉄・鉄鋼・鉄合金が10.6%の幅で上昇した。鉄鋼は国内外の需要増と原料の供給不足、鉄鉱石価格の上昇を背景に値上がりが続いている。中間財のなかで上げ幅が特に大きかったのは二次原料と飼料で、それぞれ46.6%、13.8%に達した。電子部品は7.9%、肥料・窒素化合物は3.5%低下した。
エネルギーでは電力の上げ幅が最も大きく、6.8%に上った。取引所価格は同51.0%に達している。再販事業者と特別顧客向けもそれぞれ8.7%、8.5%高くなった。
天然ガスは同4.9%で、取引所価格は72.5%、産業向けは23.8%、発電所向けは19.4%に上った。
石油製品は0.2%の上昇だった。上げ幅は液化ガスで19.7%と大きく、軽油は3.9%、自動車燃料は1.2%だった。
ドイツでは二酸化炭素(CO2)の排出を有償化するカーボンプライシングが年初から導入された。これを受けて石油と天然ガスの価格は押し上げられている。
投資財は0.8%、耐久消費財は1.4%それぞれ上昇した。
非耐久消費財は2.0%低下した。食料品が3.7%下落。豚肉の下げ幅は28.3%、バターも同4.6%に上った。砂糖は11.5%上昇した。
生産者物価は前月比でも0.7%増となり、6カ月連続で上昇した。上げ幅はエネルギーと中間財で各1.3%、1.1%と大きい。投資財は0.2%、耐久消費財と非耐久消費財は0.1%だった。