英送電・ガス供給大手のナショナル・グリッドは18日、国内配電最大手ウェスタン・パワー・ディストリビューション(WPD)を78億ポンド(約1兆1,800億円)で買収すると発表した。電力事業の強化が狙い。2021年7~9月期の買収手続き完了を見込む。
WPDは米電力会社PPLの子会社。イングランド中央部、南西部とウェールズで配電網を展開し、790万人にサービスを提供している。買収額は債務の引き受けを合わせると14億2,000万ポンドに上る。
ナショナル・グリッドは電力事業に軸足を置くため、2016年からガス供給事業の売却を進めている。今回の取引に伴い、米ロードアイランド州を拠点とする配ガス・送配電子会社をPPLに38億ドルで売却することで合意した。また、今年下期にガス供給事業の過半数株の売却を開始する予定だ。一連の取引によって、資産に占める電力事業の割合は60%から70%に拡大するという。
同社は電力事業の拡大によって、英政府が進める温室効果ガス排出削減計画への寄与を高めたいとしている。