ロシア中銀が2年3カ月ぶり利上げ、政策金利4.5%に

ロシア中央銀行は19日の金融政策決定会合で、主要政策金利の7日物入札レポ金利を4.25%から0.25ポイント引き上げ、4.5%とすることを決めた。利上げは2018年12月以来、2年3カ月ぶり。市場は据え置きを予想していた。コロナ禍で低迷していた景気の回復が進む中、需要が急速に伸びて物価が急上昇していることから予想外の利上げに踏み切った。

同国の2月のインフレ率は前月を0.5ポイント上回る5.7%に拡大した。食品の値上がりに加え、海外渡航の制限を受けて旅行資金が国内需要に流れたことが大きい。インフレ率の上昇は9カ月連続で、昨年5月からの上げ幅は計2.7ポイントに達する。中銀は2022年上半期に目標値の4%近くに戻るとみている。

中銀によると、主に小売業とサービス業で多くの企業の生産性がコロナ禍の水準に戻っており、景気回復のペースを速めている。また、世界経済の見通し改善に伴い、輸出産業も需要の伸びが加速する見込みだ。

中銀は声明で、新型コロナの変異種の蔓延や、米国の経済制裁など外部リスクがインフレ圧力を増す可能性があると指摘。行き過ぎた物価上昇の抑制と経済振興を両立させる「中立的」な金融政策に移行する必要があるとし、近く追加利上げを行う可能性を示唆した。

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