ドイツ鉄道が光ファイバー網を単独構築へ

ドイツ鉄道(DB)は26日、全路線に光ファイバー通信網を敷設する計画をすべて自力で行うと発表した。他社との共同プロジェクトに切り替える構想を実現するメドが立たないことから、単独で完成させることにした。

DBは輸送能力を拡大するために鉄道網をデジタル化する計画。その一環で路線に光ファイバー通信網を敷設している。すでに全長3万3,400キロメートルの大半で作業を終えており、残り8,200キロに敷設すれば全路線で高速通信を利用できるようになる。

DBが必要とするのは通信容量全体の20%程度にとどまることから、同社はコスト負担を軽減するため残りの敷設作業を他社と共同で行う計画を策定。提携先の獲得に向けて昨年11月に入札を開始した。だが、価格や技術面で検討に値する応札がなかったことから、単独で敷設することにした。2027年まで工事を終える予定だ。

DBが期待するような応札がなかったのは、投資資金回収のハードルが高く、投資家にとって魅力が低かったため。鉄道網のデジタル化に光ファイバー通信網の敷設は必要不可欠であることからDBはいずれにせよ敷設せざるを得ない、という事情も同社に不利に働いた。

DBはすでに子会社DBブロードバンドを通して光通信回線を貸し出している。今後は顧客数を増やし、回線の貸し出しで得られる収入を拡大。投資費用の回収を目指す。

DBは全国的に路線を展開していることから、同社が光ファイバー網を拡充すると、人口希薄地域で高速通信環境を整備しやすくなる。

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