自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)がドイツ北部のエムデン工場で19日から操業を一時停止している。期間は2週間。入荷するはずだった半導体が供給されなかったことから、生産調整を余儀なくされた。
エムデン工場では中型車「パサート」を生産している。供給に穴が開いた半導体は同モデル専用の部品であるため、他の半導体で代用できないという。
半導体不足は自動車業界全体を襲う現時点で最大の問題。VWも例外でなく、同社のほとんどの工場は昨年末から、数日から週単位の操業停止に追い込まれている。エムデン工場は年初にも2週間、生産ラインが止まった。ヴォルフスブルク本社工場では26~30日に生産シフトを削減する予定だ。
ヘルベルト・ディース社長によると、半導体不足で生産できなかった車両は年初からこれまでに約10万台に達した。これにより十億ユーロのケタ台前半の売り上げが失われたという。
半導体不足は今後も続く見通しで、VWは正常化の時期を夏休み後と予想している。