ダイムラー―乗用車・バン部門の利益率予測引き上げ―

高級車大手の独ダイムラーは23日の決算発表で、2021年12月期の乗用車・バン部門の利益率見通しを引き上げた。1-3月期の業績が好調だったうえ、コロナ禍で悪化した世界経済がワクチン接種の進展とともに正常化していくと予想されるためで、売上高営業利益率(調整済みのEBITベース)を従来の「8~10%」から「10~12%」へと上方修正した。金融・移動サービス部門の自己資本利益率についても「12~13%」から「14~15%」へと引き上げている。トラック・バス部門の売上高営業利益率(同)に関しては「6~7%」に据え置いた。

21年1-3月期のEBIT(調整済み)は49億7,000万ユーロとなり、前年同期を591%上回った。株主帰属の純利益は9,400万ユーロから約46倍の42億9,000万ユーロへと拡大している。売上高は10%増の410億1,700万ユーロだった。

乗用車・バン部門のEBIT(同)は537%増の38億4,100万ユーロに拡大した。売上高は16%増の268億8,600万ユーロで、売上高営業利益率は2.2%から15.2%へと上昇した。

トラック・バス部門では売上高が1%減の86億6,500万ユーロに後退したものの、EBIT(同)は110%増の5億1,800万ユーロと2倍以上に拡大。売上高営業利益率は2.8%から6.0%へと高まった。

金融・移動サービス部門も売上高が2%減の69億6,600万ユーロに落ち込んだものの、EBIT(同)は5,800万ユーロから約12倍の6億9,100万ユーロへと急増した。自己資本利益率は1.6%から20.2%へと上昇した。

販売台数は13%増えて72万8,609台となった。乗用車が15%増の53万8,869台、バンが16%増の8万8,418台と全体をけん引した。トラックは6%増の9万7,585台。バスは27%減の3,737台と大幅に縮小した。

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