SMS―子会社ポールワースを完全傘下に、脱炭素に向け―

鉄鋼プラント大手の独SMSグループは21日、ルクセンブルク子会社ポールワース(Paul Wurth)の資本40.8%をルクセンブルク政府と同政府系金融機関から取得し完全傘下に収めると発表した。脱炭素とリサイクル分野で両社が手がける研究開発を統合し、環境に優しい製鉄と水素技術分野のコンピテンスを強化。二酸化炭素(CO2)排出削減という大きな課題に取り組む顧客の鉄鋼メーカーに総合的なソリューションを提供できるようにする。取引金額は明らかにしていない。

SMSはポールワースの100%子会社化により、既存の製鉄所のCO2削減に寄与する技術、水素を還元剤とするCO2を排出しない直接還元製鉄、再生可能エネルギーを用いて合成燃料を製造するパワー・ツー・X技術の分野で事業を強化する。ルクセンブルクの拠点は脱炭素とリサイクルの研究開発センターにする意向だ。

これに絡んでルクセンブルク大学と戦略パートナーシップを締結した。水素分野の研究開発力を強化する。

ポールワースが展開する不動産事業は、SMSとルクセンブルク政府などが設置する新会社へと移管する。

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