ロシアのズベル、マッピング事業を強化

ロシアの金融・テクノロジー大手ズベル(旧ズベルバンク)のマッピングサービス子会社2GISが、べラルーシのジオマーケティング企業ロケットデータを買収する。4月初めに株式47%を取得する契約に調印。取引が完了すると持ち株比率は88%に拡大する。買収額は明らかにされていない。資金はロケットデータのサービス強化に投入する。

ロケットデータは2017年創業の新興企業。位置情報サービス(LBS)で表示されるビジネス・口コミ情報の一括管理が可能なプラットフォームを企業に提供している。マップや検索エンジン、企業リスト、ナビゲーション、ソーシャルネットワークなどにビジネス情報を容易に掲載できるだけではなく、誤りの発見・修正や第三者による改ざん防止もサービスに含まれる。

2GISとロケットデータは19年以来提携関係にある。ロケットデータのサービスはすでにロシア15都市で実用化済み。年末までにロシア、カザフスタンのほとんどの町で使えるようになる見通しだ。

ロケットデータは2GISによる買収後も現経営陣が事業を率いる。ズベル傘下に入ることで新顧客の獲得を見込む一方、ズベルの支援でロシア語圏外への進出を果たしたい意向だ。事業拡大でイエクスト、ユーバオール、ブライトオールなどの世界的大手と競合することを目指す。

ロケットデータはプレシード・ラウンドでベラルーシ独立系ニュースサイトのTUT.BYから支援を受けた。その後、ロシア、ベラルーシ両政府を後ろ盾とするテクノロジーファンドRBFベンチャーズやTUT.BY、地元エンジェル投資家から総額50万米ドルを調達。昨年にはRBFベンチャーズが追加投資していた。

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