ドイツ銀行―1-3月期黒字転換、投資銀がけん引―

独銀最大手のドイツ銀行が4月28日発表した2021年1-3月期(第1四半期)決算の株主帰属の純損益は9億800万ユーロの黒字となり、前年同期の赤字(4,300万ユーロ)から大きく改善した。中核4部門で軒並み大幅な増益を確保しており、クリスティアン・ゼーヴィング頭取は「ドイツ銀行は4部門すべてで正しい道を進んでおり、持続可能な利益を確保している」と強調した。税引き後利益は6,600万ユーロから10億3,700万ユーロへと急拡大し、7年来の高水準に達した。

税引き前利益は2億600万ユーロから15億8,900万ユーロへと大きく増加した。投資銀行部門が134%増の14億9,000万ユーロと全体をけん引。他の部門もコーポレートバンクが90%増の2億2,900万ユーロ、リテールが92%増の2億7,400万ユーロ、資産運用が66%増の1億8,300万ユーロと好調だった。不良資産の受け皿機関「キャピタル・リリース・ユニット(CRU)」は4億1,000万ユーロの赤字となったものの、赤字幅は46%縮小した。

貸倒引当金は前年同期の5億600万ユーロから6,900万ユーロへと86%縮小した。比較対象の20年1-3月期は新型コロナ危機の発生を受けて同引当金を積み増していたという事情がある。

利払い費を除くコストは1%減の55億7,400万ユーロと、減少幅が小さかった。狭義の中核自己資本比率(CET1比率)は3月末時点で13.7%となり、前年同日の12.8%を0.9ポイント上回った。

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