欧州連合(EU)の欧州委員会は4月28日、欧米の金融大手4社が債券取引でカルテルを結んでいたとして、うち3社に総額2,849万ユーロの制裁金を科すと発表した。米バンク・オブ・アメリカ、スイスのクレディ・スイス、仏クレディ・アグリコルが制裁対象となる。
欧州委によると、問題となったのは米ドル建てのSSA債(国際機関債、ソブリン債、政府系機関債など)の流通市場での取引。ドイツ銀行を加えた4社のトレーダーは、競合を避けるため、チャットルームを使って注文や価格を調整するなど談合していた。カルテルの期間は2010年1月~15年3月。
制裁額はバンク・オブ・アメリカが1,264万ユーロ、クレディ・スイスが1,185万ユーロ、クレディ・アグリコルが399万ユーロ。ドイツ銀行はカルテルを通報し、摘発に協力したため制裁を免除された。
クレディ・スイスは同日発表した声明でカルテル関与を否定し、制裁取り消しを求めて提訴する意向を表明した。
欧州委は15年8月に同カルテル疑惑をめぐる調査を開始。EU競争法違反での是正手続きの第1段階として、18年12月に対象各社に対して異議告知書を送付していた。