エストニア環境省はこのほど、廃棄物管理システムをデジタル化する方針を発表した。まずはごみ収集車にGPS(全地球測位システム)トラッカーを設置し、廃棄物の収集・搬送状況が正確に分かるようにする。2025年までにプロジェクトを完了させ、一般廃棄物リサイクル率を55%へ引き上げる目標だ。同省によると、これまでに廃棄物処理を包括的に管理するソリューションを実用化した例はない。費用面では、欧州連合(EU)の循環型経済への移行・デジタル化予算から助成が受けられる見通しだ。
デジタルシステムは、ごみの収集・運搬をリアルタイムで監視するほか、ごみの分別状況を評価するのに役立つ。また、分別したごみが正しく処理されているかどうかを数値で示すことができる。リアルタイム監視で、廃棄物管理事業者が作業を効率的に計画できるほか、問題が生じたときに素早く対応できるようになる。
環境省はまた、法制面でも消費者が廃棄物を分別する現行から、生産者にその責任を移す方式(拡大生産者責任)に移行させる方向で法案を練っている。これにより、廃棄物の再利用が増え、分別にかかるエネルギーや労働力が減らせるとみている。