仏タイヤ大手のミシュランは6日、米保険大手オールステートのデータ子会社アリティ(Arity)と、道路交通の安全向上に向けたデータ駆動型のソリューション開発で提携すると発表した。ミシュランのビッグデータ事業であるDDI(ドライビングデータ・トゥー・インテリジェンス)がアリティの持つ膨大なデータを活用し、米国内の運輸当局や自治体と連携して交通インフラの最適化と補修事業の優先順位付けを促進する。
アリティは約1億人のドライバーから運転行動データを集めるなど世界最大規模のデータベースを誇る。ミシュランはDDI独自のアルゴリズムを活用して観測対象となる数十億件のデータを分析し、道路インフラに起因するニアミス事故や変則的な行動を特定する。そこから得られた洞察や知見を関係当局に提供することで道路管理の効率化や安全向上に役立てもらう。
米国ミシュランで「サービス・アンド・ソリューション」事業を統括するラルフ・ディメナ氏は「米国では州または自治体単位での交通インフラ事業が優先されているため、道路の危険箇所などを特定することは道路網の補修や最適化のカギとなる」と述べている。