●フル稼働時のガス処理能力は420億立方メートル
●露中合弁のアムールガス化学コンビナートが主要顧客
ロシア国営ガスプロムは9日、極東のアムール州スヴォボードヌイ近郊に新設したガス処理プラント(GPP)で第1トレインの試験運転を開始した。第2~6トレインもガス調達量の増加に合わせて順次、試験運転を行う予定だ。2025年に全面稼働が実現すれば、ガス年間処理能力420億立方メートルを備える国内最大、世界でも屈指の大型ガス処理プラントとなる。
アムールGPPはロシア極東地域の主力ガス処理拠点として、2015年10月に着工した。原料となる多成分ガスはシベリアガスパイプライン経由で、まずヤクーツィアのチャヤンディンスコェ・ガス田、その後イルクーツクのコヴィクチンスコエ・ガス田からも調達する計画だ。
フル稼働時の年産能力はエタンが240万トン、液化石油ガス(LPG)が150万トン。露石油化学大手シブールと中国同業シノペックの合弁事業であるアムールガス化学コンビナートが主要顧客となる。ヘリウム生産能力は6,000万立方メートルで、主にハイテク産業に供給する。