チェコ中銀が16カ月ぶり利上げ、政策金利0.5%に

●金融政策は「ゆるやかな引き締め」に転じる=中銀

●今年下半期に追加利上げを行う可能性

チェコ中央銀行は23日、主要政策金利である14日物レポ金利を0.25ポイント引き上げ、0.5%に設定した。利上げは昨年2月以来16カ月ぶり。新型コロナ禍からの景気回復を背景に賃金が上昇し、インフレ率が高い水準で推移していることから、利上げを通じて物価上昇圧力を抑制する狙いだ。ロンバート金利(上限金利)も0.25ポイント引き上げ、1.25%に設定した。公定歩合(下限金利)は0.05%で据え置いた。

同国の5月のインフレ率は2.9%となり、4月の3.1%から低下したものの、目標水準(1~3%)の上限に近い。中銀は今後について、年内は3%前後で推移し、来年から目標水準の中央値(2%)に近づくとの見方を示した。

チェコの2021年1~3月期の国内総生産(GDP)は前年同期比2.1%減となり、5四半期連続のマイナス成長となったが、下げ幅は前期の4.8%から2.7ポイント縮小した。足元の4~6月期はプラスに転じる見通しだ。

中銀は声明で、新型コロナ感染拡大の封じ込めに伴う国内経済の回復と賃金の予想以上の上昇がインフレ圧力を高めていると指摘。今回の決定により、金融政策は「ゆるやかな引き締め」に転じたとした上で、今年下期に追加利上げを行う可能性を示唆した。

欧州連合(EU)加盟国の中央銀行で新型コロナ感染拡大後に利上げを実施するのは、ハンガリーに次ぐ2カ国目。中欧2カ国の相次ぐ利上げを受け、市場ではポーランドも追随するとの見方が出ている。

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