スイス国内で6カ所のサイエンスパークを運営するスイス・イノベーション(Switzerland Innovation)はこのほど、中国科学技術部のタイマツハイテク産業開発センターと協力すると発表した。スイス連邦参事会(連邦内閣)・教育研究イノベーション庁(SBFI)のマルティナ・ヒラヤマ次官と中国科学技術部の副部長(副大臣)が6月4日、オンライン形式で両機関の協力に関する覚書(MoU)を締結した。
スイス・イノベーションは、6カ所のサイエンスパークを通して、スイス内外の企業とスイスの大学・研究機関の産学連携を支援している。これに対し、タイマツハイテク産業開発センターは、中国で約170カ所のハイテク産業開発区を運営している。
スイス・イノベーションは今回の協力を通して、スイスにおける研究開発投資が活発化すると期待している。例えば、中国の研究開発プロジェクトや研究チームがスイス・イノベーションに拠点を設け、スイスの高等教育機関と共同でイノベーションプロジェクトを実施する取り組みを支援する。また、スイスの企業は、タイマツハイテク産業開発センターを通して、中国市場進出の足掛かりを築くことができると期待している。
今回の協力は、スイス連邦参事会の中国戦略(2021~2024年)における研究・イノベーション分野のスイスと中国の協力事業の一環に位置づけられる。両機関は2019年に複数回の交流の機会を持ち、2020年から協力事業に向けた議論を進めていた。