フォルクスワーゲン―OTAアップデートを今月スタート―

独フォルクスワーゲン(VW)グループの主力VWブランド乗用車は5日、電気自動車(EV)専門の「ID.シリーズ」でソフトウエア「OTA(オーバーザエアー)アップデート」の定期サービスを今夏から開始すると発表した。大衆車メーカーでOTAサービスを本格提供するのは同ブランドが初めて。単なる自動車メーカーから、ソフトをフルに活用したデジタル移動サービス事業者への脱皮を競合に先駆けて実現する。

OTAアップデートはソフトの更新を無線通信で行うサービス。ID.シリーズは車両が通信端末化していることから、これが可能となった。まずは「ID.3」の初期の購入者である「ファースト・ムーバーズ・クラブ」のメンバーに7月から同サービスを提供。その後はID.3の他の購入者と「ID.4」「ID.4 GTX」の購入者にも対象を拡大していく。12週間に1回のペースでソフトを更新する意向だ。

ID.シリーズはハードウエア面でモデル間の違いがほとんどなく、機能の差別化はソフトで図る設計となっている。このため顧客は購入時点でオプション機能を選択するのではなく、ソフトのアップデートを通して事後的に購入することができる。同社はこの有料ソフト販売を重要な収益源に育て上げる戦略だ。

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