ドイツ連邦統計局が8日発表した5月の輸出高(暫定値)は営業日数・季節要因調整後ベースで1,122億ユーロとなり、前月を0.3%上回った。増加は13カ月連続。新型コロナウイルス感染症が同国で流行する直前の昨年2月に比べると0.3%低いものの、コロナ禍前の水準をほぼ回復している。
輸入高は前月比3.4%増の996億ユーロとなり、2カ月ぶりに拡大した。昨年2月に比べると9.4%高い水準にある。
非調整ベースの輸出高は1,094億ユーロで、前年同月を36.4%上回った。比較対象の昨年5月は世界貿易が大きく落ち込んでおり、その反動が出た格好だ。輸入高も同32.6%増の971億ユーロへと大幅に伸びた。貿易収支の黒字幅は前年同月比75.7%増の123億ユーロへと拡大。経常黒字も84.5%増えて131億ユーロとなった。
輸出を仕向け先地域別でみると、伸び率が大きかったのはEUで、ユーロ圏は前年同月を40.2%、その他の加盟国は同50.8%上回った。EU域外は28.7%増で、米国は40.7%の伸びを記録した。中国は17.1%増。1月1日付でEU域内市場と関税同盟から離脱した英国は46.3%増となり、2カ月連続で拡大した。
輸入でもEU加盟国との取引が全体をけん引。増加幅はEUのユーロ非加盟国で40.8%、ユーロ圏で36.9%に上った。EU域外は26.5%で、米国は32.6%、英国は26.2%だった。中国は4.4%落ち込んだ。
1~5月の輸出高は5,541億ユーロとなり、前年同期を15.3%上回った。ユーロ圏向けが19.1%、EUのユーロ非加盟国向け20.2%の幅で増加。EU域外向けは10.6%増で、英国向けも0.9%伸びた。
1~5月の輸入高は13.2%増えて4,743億ユーロとなった。ユーロ圏からが15.3%、EUのユーロ非加盟国からが21.5%、EU域外からが8.8%増加。英国からは14.5%減だった。
1~5月の貿易黒字は797億ユーロで、前年同期を29.4%上回った。経常黒字も26.6%増の1,003億ユーロへと拡大した。