独電気電子工業会(ZVEI)が8日発表した同国電機業界の5月の新規受注高は前年同月を49.1%上回り、前月に引き続き急増した。比較対象の20年5月はコロナ禍で受注が28%落ち込んでおり、その反動で大きく伸びたという事情はあるものの、コロナ禍前の19年5月に比べても7%以上、多く、需要は急速に伸びている。国内受注が前年同月比で34.0%、国外が同62.9%増加。国外はユーロ圏が64.2%、ユーロ圏外が62.2%の幅で伸びた。
1~5月の新規受注高も前年同期比27.9%増と好調だった。国内が23.7%、ユーロ圏が30.2%、ユーロ圏外が31.9%増えた。
5月の生産高は物価調整後の実質で前年同月を22.5%上回った。19年5月に比べると5%低い。1~5月の生産高は前年同期比で10.7%増えた。
6月の生産計画(先行き3カ月)で「拡大」を予定する企業の割合から「縮小」の割合を引いた数(ディフュージョン・インデックス=DI、無効回答を除いたベースで算出)は前月の35.2ポイントから36.3ポイントへと上昇した。計15部門のなかで同指数がマイナスとなったのはコロナ禍の追い風を長く受けていた娯楽家電(-37.5ポイント)、白物家電(-30.0ポイント)、情報機器(-15.7ポイント)の3部門だけだった。
5月の業界売上高は前年同月比24.0%増の154億ユーロに拡大した。ユーロ圏が30.7%増、ユーロ圏外が23.4%増、国内が21.5%増と、伸び率はすべて2ケタ台に上っている。
1~5月の売上高も11.3%増えて792億ユーロとなった。ユーロ圏が13.5%、ユーロ圏外が12.2%、国内が9.6%の幅で伸びた。
6月の業界景況感指数は33.0ポイントで、前月(31.0ポイント)を2ポイント上回った。現状判断指数が前月に引き続き大きく上昇。今後6カ月の見通しを示す期待指数はやや落ち込んだ。
6月の輸出期待指数は前月34.1ポイントから36.8ポイントへと上昇した。