ファイザー・モデルナ製ワクチン、副反応に心筋炎=EMA

欧州医薬品庁(EMA)は9日、米ファイザーと米モデルナの新型コロナウイルスワクチンについて、接種後に心筋炎や心膜炎が「ごくまれに起こり得る」との分析結果をまとめ、副反応として製品情報に記載するよう勧告したと発表した。ただ、発症の可能性は極めて低いため、ワクチン接種のメリットが副反応のリスクを「引き続き上回る」と強調している。

心筋炎と心膜炎は心臓の筋肉や膜に生じる炎症で、息切れや動悸(どうき)、胸部の痛みなどの症状を伴う。EMAはファイザー製ワクチンについて、1億7,700万回の接種のうち283件(心筋炎145件、心膜炎138件)、モデルナ製は2,000万回の接種のうち38件(心筋炎と心膜炎それぞれ18件)の症例を詳しく分析し、副反応と考えられると結論づけた。

EMAによると、これまでに報告された心筋炎・心膜炎の大半はワクチン接種後14日以内に発症しており、2回目の接種後や若い成人男性で副反応が起きる頻度が高いという。また、これまでに5人の死亡が報告されており、亡くなったのは高齢者か心疾患がある人だったという。

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