英中銀、大手行の配当制限を撤廃

英中央銀行のイングランド銀行は13日、コロナ禍による経済環境の悪化を受けて実施してきた大手銀行の株主配当を制限する措置を同日付で解除すると発表した。コロナ禍は収束していないものの、財務の健全性が十分に維持されていると判断した。

イングランド銀は2020年3月、新型コロナウイルスの感染拡大で銀行の業績悪化が懸念される中、資本を温存して不良債権増加に備えるとともに、企業・個人への融資を優先させるため、株主への配当を中止するよう要請。HSBCホールディングス、バークレイズなど大手銀行が従い、4月から配当支払いを中止した。12月から解禁したものの、配当の総額を各四半期の利益の25%以下に制限してきた。

イングランド銀は民間銀行を対象に実施した最新のストレステスト(健全性審査)で、不良債権が予想ほど多くなく、資本に十分な余力があることが判明し、配当に上限を設ける措置が不要になったとして、制限解除に踏み切った。

欧州では欧州中央銀行(ECB)がユーロ圏の銀行による株主配当の制限を10月に撤廃する見通しとなっている。

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