ティッセンが鉱山機械事業をFLスミスに売却

独複合企業ティッセンクルップは28日、鉱山機械事業をデンマークの機械大手FLスミスに売却することで合意したと発表した。組織再編の一環。同事業の価値を3億2,500万ユーロと評価して取引を行う。1年以内の売却手続き完了を見込む。

ティッセンは昨年5月、組織再編計画を発表した。持株会社へと移行し各事業部門に独立採算の責任を持たせるとともに、競争力のない事業は売却するというもの。材料取引、産業部品、自動車部品、鉄鋼、軍用船の5部門を手元にとどめ、それ以外は売却事業の受け皿部門「マルチトラック」に移管した。

鉱山機械事業は昨年10月、マルチトラック部門に振り分けられた。従業員数は3,400人で、2020年9月通期の売上高は8億ユーロだった。同部門で売却が決まった大規模な事業は鉱山機械が初めて。ティッセンによると、イタリアのステンレス鋼生産子会社アッチャイ・スペチャーリ・テルニ(AST)とインフラ事業も売却交渉が順調に進んでいるという。

FLスミスは鉱山企業向けに包括的なソリューションを提供できる機械メーカーで、グローバルに事業を展開している。ティッセンは同社への売却が鉱山機械事業の将来にとって最も好ましいと判断し、今回の取引に踏み切った。

上部へスクロール