楽天は4日、独通信サービス大手ユナイテッド・インターネット傘下の1&1から5G通信網の構築を受注したと発表した。自由度の高いオープンRAN技術を用いて欧州初の完全モバイルネットワークを築く。同社が日本で培った技術を海外に初めて移植するケースとなる。
オープンRANは無線送受信装置などの仕様をオープンにして、複数メーカーの機器やシステムを相互接続できるようにした無線アクセスネットワーク(RAN)。特定メーカーへの依存を避け、RANを自由に構築できることから、電気通信サービス事業者の間でニーズが高まっている。
仮想化はこれまでインフラの専用機器で行ってきた機能をクラウド上のソフトウエアで処理する技術。基地局の複雑な修理やメンテナンスが不要となり、ソフトのアップデートで効率的に対応できるようになることから、コストを大幅に削減できる。
楽天はオープンRAN技術の先駆的な利用者で、仮想化技術を用いた移動通信サービスを昨年4月に日本で本格開始した。この知見を活用して、1&1のネットワーク構築を支援する。三木谷浩史会長は、「ドイツで未来を見据えたモバイル通信の新しい標準となる次世代ネットワークを共同で構築できることを嬉しく思います」と述べた。