●上期は純益の11.5%に当たる730億ルーブルをデジタル業に投資
●競合のヤンデックスもEC事業に積極投資
金融・テクノロジー大手で国営のズベル(旧ズベルバンク)が、2021年上期にデジタルサービス事業へ730億ルーブル(約10億米ドル)超を投資した。同期の純利益(6,300億ルーブル)の11.5%に相当し、17~19年の投資総額を上回る規模だ。同分野に今後3年で総額3,000億~3,500億ルーブルを投じる計画だ。
ズベルの1~6月期決算では、デジタルサービスの売上高が前年同期比200%増の747億ルーブルに急拡大し、売上総額の4%を占めた。通期では2,000億ルーブルが見込まれている。売上高の内訳は、電子商取引(EC)が前年同期の12.9倍に当たる348億ルーブル。IT大手メール・ルとの合弁事業O2O(配車・出前・宅配サービス)は229億ルーブル(3,130万ドル)だった。
同期の最終損益は192億ルーブルの赤字で、赤字幅は前年同期の2.7倍に膨らんだ。営業赤字は143億ルーブルに上った。
■ヤンデックスも大型投資を計画
ズベルと競合するIT大手のヤンデックスも今年、EC事業に総額6億5,000万ドルを投じる計画だ。このうち半分を物流インフラの改善に振り向ける。今年はEC売上高が3倍に増えると予測している。
ロシアの20年のEC市場の成長率は58%に上り、世界各国と比較してもトップクラスとなった。(1RUB=1.50JPY)