英政府は4日、イングランドに入国するフランスからの渡航者について、新型コロナウイルスワクチンの接種が完了していれば入国時の自己隔離を免除すると発表した。これにより、フランスからの渡航者は8日午前4時以降、他の欧州連合(EU)加盟国や米国などからの渡航者と同じ条件で入国できるようになった。
英国では今月2日から、EU加盟国と米国に加え、欧州自由貿易連合(EFTA)、アンドラ、モナコ、バチカン市国からの渡航者について、欧州医薬品庁(EMA)、米食品医薬品局(FDA)、スイス連邦保健(BAG)が承認したワクチンの接種が完了していることを条件に、隔離措置が解除された。ただし、フランスは感染力の強い変異ウイルスが広がっているとして解除リストから除外され、入国時に10日間の自己隔離が義務づけられていた。
英運輸省は各国・地域を感染リスクに応じて「レッド」、「アンバー」、「グリーン」に分類し、それぞれの国・地域からイングランドへ入国する際のルールを定めている。今回の見直しで、ドイツ、オーストリア、ノルウェー、スロベニア、スロバキア、ラトビア、ルーマニアの7カ国は従来の「アンバー」から最も規制の緩やかな「グリーン」に変更された。これにより、ワクチン接種を完了したかどうかにかわらず、原則として入国時の隔離が免除される。ただし、引き続き出発前と入国2日目に検査を受け陰性であることを証明する必要がある。
スペインに関しては、変異ウイルスの影響などを考慮して、「アンバー」より一段階規制の厳しい「アンバー・プラス」に分類されるとの見方が広がっていたが、旅行会社や航空会社の強い反発で変更は回避された。ただし、政府は出発前と入国後の検査について、精度の低い抗体検査ではなく、PCR検査を受けるよう奨励している。
このほか、インド、バーレーン、アラブ首長国連邦(UAE)、カタールはリスクが最も高い「レッド」から「アンバー」に移行し、英政府が指定するホテルでの隔離義務が解除され、自己隔離となる。一方、メキシコ、ジョージア、仏領レユニオン島、仏領マヨット島の4カ国・地域については、従来の「アンバー」から「レッド」に変更となり、指定ホテルでの隔離義務など、最も厳しい規制が適用される。