独がナミビアと水素提携、生産コストはキロ当たり1.5ユーロ

ドイツ政府は8月25日、水素経済の実現に向けナミビアとパートナーシップを結ぶことで基本合意した。ドイツは国内のグリーン水素需要を自力で賄えないことから、再生可能エネルギー発電が有望な国から同水素を大量に輸入する計画。その輸入先国の1つとしてナミビアに白羽の矢を立てた。アーニャ・カルリチェク研究相は「最善の水素技術と水素生産の最適地を巡る競争はすでに全世界で繰り広げられている。我々の見地では、ナミビアにはこの競争で特に大きなチャンスがある」と明言した。

ナミビアは未使用の土地が多いうえ、風力が強く、風力発電に適している。また、日照時間はドイツの約2倍の年3,500時間強に上ることから、太陽光発電にも適している。これらの再生エネを活用すれば同地のグリーン水素生産コストは1キログラム当たり1.5~2ユーロに抑制できる見通しだ。

両国は今後、実現可能性調査を行ったうえで、パイロットプロジェクトを実施。その際、水素生産用の真水を確保するために海水を脱塩する。脱塩工程を経ずに海水から水素を直接製造することも視野に入れている。

ナミビアでグリーン水素を製造するためには現地の技術者を養成する必要があることから、交換留学と奨学金の交付を通して同国の学生や若い技術者がドイツでノウハウを獲得できるようにする。独研究省は今回の協業に最大4,000万ユーロを拠出する意向だ。

ナミビアはグリーン水素の輸出を2025年までに開始することを目指している。

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