ドイツ航空宇宙センター(DLR)と独エンジン製造大手のドイツは8月26日、建設車両および農業車両向けの水素燃料ベースの駆動装置の開発で協力すると発表した。今回の協力は、DLRの産学連携プラットフォーム「DLR.イノベーションハブ」を通して実施する。
建機や農機は強い馬力を必要とするため、現在は主にディーゼルエンジンを搭載している。ディーゼルエンジンの代わりに水素燃料ベースの駆動装置を搭載すれば、二酸化炭素(CO2)の排出がなくなり(CO2フリーとなり)、環境負荷が低減する。
建機や農機には、掘削機やショベル車、トラクター、収穫機など、さまざまな機能の車両があり、車両によって必要なエネルギー量や最大出力、タンク容量、稼働時間が異なる。このため、DLRとドイツは共同で、公道以外で使用するオフハイウェイ用のCO2フリー車両について技術や市場、ユーザーの要件を調査する。その次の段階として、様々な技術を比較して、建設や農業の現場に適しているかを分析する。
ディーゼル燃料は、水素燃料に比べエネルギー密度が高いため、水素燃料を使用する場合は、ディーゼル燃料に比べて燃料補給の回数が多くなる。今回の協力では、従来の現場の作業の流れを出来るだけ変更せずに燃料補給を行うため、例えば、◇移動式のインテリジェントなネットワーク化された燃料補給システムを投入する◇移動式・自律型の燃料補給ロボットを投入する――などのアイデアを検討していく。