ロシア通信大手MTS、AIスタートアップに総額1,000億ドル投資

●初の案件はエッジAIチップを得意とする台湾系の米クネロン

●AI分野のベンチャー投資は「過剰気味」なため、対象を吟味

ロシア移動体通信大手MTSの人工知能(AI)事業MTS AIはこのほど、アクセラレーターの米プラグ・アンド・プレイと提携し、スタートアップ企業への支援・投資を目的とした「インテマ」プログラムをスタートした。シード期からシリーズBの企業を対象に1億米ドル強を投資する方針だ。

プラグ・アンド・プレイが起業家のメンター(助言者)を務める。AI分野のベンチャー投資が「過剰気味(米ピッチブック)」であるのを踏まえ、◇言語・イメージ・行動分析◇エッジコンピューティング(データセンターではなく、末端の機器や施設でデータを処理する技術)◇物流――の各部門における確かな技術を持つ企業を選択していく。

初の案件はエッジAIチップを得意とする台湾系の米クネロン(Kneron)で、今年3月に1,000万ドルを投資した。MTS AIはこれと引き換えにロシアにおけるクネロン製チップの独占販売権を獲得したほか、同社の技術を活用した自社製品ラインナップのプランを練っている。

クネロンには鴻海精密工業(フォックスコン)、クアルコム、セコイア、維港投資(ホライズンズ・ベンチャーズ)も投資している。

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