8月の製造業新規受注7.7%減少、生産調整でメーカーが発注抑制

ドイツ連邦統計局と連邦経済省が6日発表した8月の製造業新規受注指数(2015年=100)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前月を7.7%下回る111.1(暫定値)となり、新型コロナウイルス流行の第1波の渦中にあった昨年4月以来の大幅減を記録した。減少は3カ月ぶり。大型受注が多かった前月の反動や、自動車メーカーの夏休みが今年は8月に集中したことのほか、半導体不足などで生産調整を行う完成品メーカーが幅広い分野の原材料の発注を抑制していることが響いたもようだ。

前月は船舶、鉄道車両、飛行機など「その他の輸送機器」の大型受注が多く、新規受注の水準が強く押し上げられていた。8月は大型受注が少なく、大型受注を除いたベースでは減少幅が5.1%だった。

新規受注を地域別でみると、ユーロ圏外が15.2%減と大きく落ち込んだ。前月は18.2%増加しており、その反動が大きい。国内は5.2%減となり2カ月連続で縮小。ユーロ圏(ドイツを除く)は1.6%増加した。

部門別では投資財の減少幅が断トツで大きく、11.1%に達した。ユーロ圏外が25.1%増となった前月の反動で21.3%後退。国内も7.7%落ち込んだ。ユーロ圏は7.9%増えた。

中間財は2.8%減となり、2カ月連続で縮小した。ユーロ圏が9.6%、国内が3.0%の幅で減少。ユーロ圏外は3.3%増加した。

消費財は2.7%落ち込んだ。ユーロ圏は11.0%増えたものの、ユーロ圏外が15.3%減少。国内も0.7%縮小した。

減少幅が特に大きかった業界は自動車・自動車部品で、12.0%に達した。金属製造・加工も9.6%落ち込んでいる。機械は1.0%減だった。

新規受注は新型コロナウイルスの流行が本格化する直前の昨年2月に比べると実質8.5%多かった。昨年2月を上回るのは11カ月連続。

製造業新規受注を特殊要因によるブレが小さい2カ月単位の比較でみると、7~8月は前の期の5~6月を実質3.1%上回った。大型受注を除いたベースでは1.3%減少した。

統計局は今回、7月の製造業新規受注指数を当初の前月比3.4%増から同4.9%増へと上方修正した。

統計局が同日発表した8月の製造業売上高は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前月比5.9%減(暫定値)となった。昨年2月に比べると10.2%低い。

上部へスクロール