ロシアの妊婦アプリ開発企業、200万ドルを調達

●資金は中南米や東南アジアの事業拡大に振り向ける

●アンマの登録ユーザー数は1,000万人、月間利用者数は150万人

ロシアの妊婦向けモバイルアプリ「アンマ妊娠トラッカー(Amma Pregnancy Tracker)」がこのほど実施したラウンドで、200万ドルの資金調達に成功した。獲得した資金で中南米や東南アジアの人員を拡充し、ユーザー増を目指す方針だ。

同アプリは妊婦自身が体重や体形の変化を管理したり、妊娠期の異常を見つけられるもので、スマホの画面に高画質の超音波画像を表示することができる。オンライン診療や薬剤の摂取のスケジュール管理などが可能だ。毎日の感情の変化を記録することもできる。

「アンマ」は2019年にサービスを開始した。現在の登録ユーザー数は1,000万人、月間の利用者数は150万人に上る。ユーザー数で最大となる市場は中南米で、アルゼンチン、チリ、メキシコ及びペルーでは上位3位以内に入るほか、ロシア語圏やエクアドル、ウルグアイ、ギリシャ、マレーシアでは5位以内と各地で人気アプリとなっている。特にロシア語圏では妊娠中の女性の60%が利用しているという。

西欧では、スペイン、フィンランド、ノルウェー及びニュージーランドで10位以内、カナダ、英国及び米国では15位以内につける。同アプリの運営会社は香港に本拠を持ち、開発チームはモスクワに拠点を置く。アプリの収益は有料サービスと広告料収入からなる。

今回の資金調達に応じた投資家には、ロシアの起業家のアレクセイ・ソロビヨフ氏が設立したベンチャーキャピタル(VC)のA.パートナーズ、エンジェル投資家のセルゲイ・ダシュコフ氏、ユニコーン企業ブリケ創業者のアンドリュー・フィレフ氏、製薬会社ナノレク創業者のウラジーミル・フリステンコ氏、決済サービスアプリ「Qiwi」創業者のセルゲイ・ソローニン氏、TMTインベストメントのイーゴリ・ショイフト氏、エドテック(教育工学)企業ネトロジー及びデジタル・ドリーナの創業者、マクシム・スピリドノフ氏がある。

同社はこれまでに400万ドルを調達しており、現在の評価額は前年の4.5倍となる2,800万ドルに達している。過去の投資家には米国のVC「SOSV」、ロシア・イスラエル系のテクノロジー企業プリテックグループ、ロシアの起業家イーゴリ・ルイバーエフ氏の他、香港、韓国の個人投資家がある。

上部へスクロール