インフレ高進進む、川上物価の上昇が川下に波及

ドイツ連邦統計局が13日に発表した9月の消費者物価統計の詳細によると、前年同月比のインフレ率は4.1%となり、1993年12月(同4.3%)以来の高水準に達した。昨年はコロナ禍で石油製品の価格が急落していたうえ、7~12月の半年間は付加価値税率が引き下げられており、その反動が強く出た格好だ。川上物価の上昇が最川下の消費者物価レベルにも部分的に転嫁されていることも響いた。上げ幅はエネルギーと非耐久消費財で特に大きかった。

エネルギーは14.3%上昇し、上げ幅は前月の同12.6%を上回った。世界経済の回復で原油価格が上昇しているうえ、今年1月に運輸と建築物部門でカーボンプライシング制度が始まったことが上昇に拍車をかけている。これまでに引き続き石油製品が全体を強く押し上げており、灯油の上げ幅は76.5%、自動車燃料は同28.4%に達した。天然ガスは5.7%、電力は2.0%だった。エネルギーを除いたインフレ率は3.1%となっている。

食料品の上げ幅は前月の4.6%から4.9%へと拡大した。野菜が9.2%、乳製品・卵が5.5%上昇している。エネルギーと食料品を除いた基礎インフレ率は2.9%だった。

他の分野の物品では車両が6.4%、家具・照明が4.4%上昇した。

物価に占める比重が53%に上るサービスは前月に引き続き上げ幅が2.5%増となり、高水準を保った。自動車整備・修理が5.4%、飲食・宿泊が3.6%上昇した。

前月比のインフレ率は前月同様0%だった。エネルギーは0.7%上昇したものの、サービスが0.5%低下し、全体を強く押し下げた。項目別では灯油が4.4%、衣料品・靴が3.8%上昇。パック旅行は季節柄9.2%下落した。

欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比が4.1%、前月比が0.3%だった。

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