●セルビアではコロナ禍を機に未払い請求書や支払い遅延が増加
●18年設立の同社の取引実績は総額5,500万ユーロ以上
ルーマニアのファクタリング(売掛債権買取り)サービス企業インスタント・ファクタリング(Instant Factoring)はこのほど、セルビアに進出する計画を明らかにした。まずは初年度の融資額1,000万ユーロ、融資先1、000社を目標に事業を展開する。
同社の収益モデルは、売掛債権を額面で買い取り、手数料を対価として受け取るというものだ。人工知能(AI)を利用した独自の内部評価システムにより、受付から24時間以内に迅速に支払いを行う。債権の買い取り上限額は10万ユーロ。
同社によると、セルビアでは未払い請求書や支払い遅延の発生件数が増加している。新型コロナの流行以前は、負債の支払いに要する日数は平均135日だったが、流行後はさらに長くなっているとみられる。同国には現在、マイクロ企業(1人~数名の法人企業)が9万2,000社余り、小企業が約1万2,000社、個人事業主が約11万5,000存在する。これらの小規模事業者は全体の87%に上るが、銀行によるファクタリングサービスは十分行われておらず、勝機はあるとみている。
インスタント・ファクタリングは2018年の設立。ファクタリングサービスのルーマニア最大手で、取引実績は総額5,500万ユーロ以上、今年だけで3,000万ユーロに上る。これまで数度にわたり資金調達を実施しており、国内や米国、英国の投資家から総額で500万ユーロの調達に成功している。