●核燃料を年間200トン、20年間にわたり中国に供給
●カズアトムプロムは「他国との提携」にも期待
カザフスタン東部のオスケメン市にあるウルバ冶金工場(UMP)内で10日、新しい核燃料集合体工場が開所した。2014年にUMPの親会社である原子力公社カズアトムプロム(Kazatomprom)と中国広核電力(CGN)が結んだウラン開発に関する包括的協力契約に基づいて設置されたもので、20年間にわたり年間200トンの核燃料を中国に供給する。運営はUMPと、CGN子会社のCGNPCウラン資源(CGNPC URC)の合弁会社が担当する。
カズアトムプロムのマジト・シャリポフ(Mazhit Sharipov)社長は新工場の稼働でカザフスタンが「核燃料を製造供給できる世界でも数少ない国の一つとなる」と指摘。「高度なノウハウを要するプロジェクトが実現したことで、(中国だけでなく)他の国々との原子力分野における提携に道が開ける」と期待感を示した。
新工場の組立設備には仏フラマトム(旧アレバ)の技術を採用した。UMP製のウランペレットを燃料棒に用いる。合弁工場への出資比率はUMPが51%、CGNPC URCが49%。開所式には、国民福祉基金サムルク・カジナ、カズアトムプロム、UMP、CGN、中国国家原子能機構(CAEA)、フラマトム及び東カザフスタン州の代表が出席した。
カズアトムプロムとCGNは2006年以来、ウラン採鉱、天然ウラン販売、燃料ペレット製造で提携している。