トルコ大統領、原発増設計画の堅持を言明

●第2原発は黒海沿岸、第3原発はブルガリア国境近くが立地候補

●技術・燃料共にロシアへの依存が高まる懸念も

トルコのエルドアン大統領は9日、国内第2、第3の原子力発電所の建設に向けて、早急に準備を進める方針を打ち出した。化石資源の輸入を増やすことなく国内の電力需要拡大に対応する。ただ、現状ではトルコでの原発計画への参加が有望なのはロシア国営のロスアトムのみ。技術・燃料共に同国へ依存することになるため、真の自給につながる再生可能エネルギーへ多くの資金を投じるべきとの意見もある。

初の原発となるアックユ原発(南部メルスィン県)は建設中。ロスアトムが建設・運営を受け持つ。1号機が2023年に稼働する予定だ。26年末までに、原子炉4基すべての運転を開始する。総出力は4,800メガワット(MW)で、国内需要の10%を賄える見通しだ。

第2原発の立地は黒海沿岸のシノップに決定。第3原発はブルガリア国境に接するクルクラーレリ県の黒海沿岸が候補に上っている。シノップ原発の建設では三菱重工と仏アレバ(現フラマトム)の合弁企業アトメアが受注する予定だったが、発電電力の買取り価格をめぐってトルコとの溝が埋まらず、19年に計画から撤退した経緯がある。

トルコの電力需要はコロナ禍に直面する中でも拡大を続け、昨年12月の需要は前年同月から4.8%増加した。

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