電機大手の独シーメンスが11日発表した2021年9月通期決算の純利益は前期比53%増の61億6,100万ユーロと大幅に伸びた。中核事業の好調のほか、周辺事業の売却で水準が押し上げられた。売上高は13%増の622億6,500万ユーロ、新規受注高は23%増の713億7,400万ユーロで、BBレシオ(新規受注の対売上比率)は1.15に達した。
製造分野の営業利益(調整済みベースのEBITA)は88億800万ユーロで、前期を17%上回った。4部門すべてで増益を確保。増益幅はデジタル産業で21.7%、スマートインフラで9.1%、モビリティで9.1%、医療機器(ヘルシニアーズ)で15.1%に上った。製造分野の売上高は11%増の597億5,900万ユーロで、売上高営業利益率は14.3%から15.0%へと上昇した。コロナ禍と原材料不足には適切に対処できたとしている。
経済の巨大なトレンドであるデジタル化と持続可能性重視の傾向は同社の追い風となっている。このため22年9月期も好業績が続くと予想。為替と買収・売却を除いた実質ベースの売上成長率で1ケタ台半ば、BBレシオで1より大きな数値を見込んでいる。