ドイツ連邦統計局が19日発表した10月の生産者物価指数は前年同月比18.4%増となり、1951年11月以来およそ70年ぶりの大きな上げ幅を記録した。同物価の上昇は11カ月連続。エネルギーと中間財がこれまでに引き続き全体を強く押し上げた。
エネルギーの上昇率は48.2%となり、前月の同32.6%を大きく上回った。上げ幅は欧州での供給が不足している天然ガスで最も大きく81.4%を記録。同取引所価格は505.8%、発電所向けは237.1%、産業向けは199.1%、再販事業者向けは87.2%に達した。
石油製品も46.9%上昇した。液化石油ガスが113.7%、灯油が111.4%、自動車燃料が39.8%高くなった。
電力の上げ幅は49.6%に上った。取引所価格は同284.7%で、再販事業者向け(89.7%)と特別契約顧客向け(57.2%)も2ケタ台を記録した。一般世帯向けは1.4%だった。
エネルギーを除いた生産者物価の上昇率は9.2%。
中間財の上げ幅は18.1%(前月17.4%)に上った。製造業の景気回復を受けて原材料の需要が急増しているうえ、海運貨物などの運賃が高騰していることが背景にある。針葉樹材は91.8%、非金属二次原料は95.7%、木製梱包材は82.0%を記録。金属は37.8%で、銑鉄・鉄鋼・鉄合金は56.4%、非鉄金属は29.8%、アルミニウムは67.4%に上った。肥料・窒素化合物は26.9%、プラスチックは23.2%、飼料は22.6%、穀物粉は16.1%だった。
投資財は3.2%、耐久消費財は3.4%それぞれ上昇した。
非耐久消費財の上げ幅は3.0%となり、前月の2.2%から大幅に拡大した。食料品は同3.7%で、非加工の植物油は48.3%、バターは18.8%、牛肉は14.2%に上った。豚肉は5.1%低下した。
生産者物価は前月比でも3.8%上昇した。上げ幅はエネルギーで12.1%と特に大きい。中間財は0.9%、投資財と非耐久消費財は0.5%、耐久消費財は0.3%だった。