車載電池用銅箔メーカーのSKC、欧州工場の立地はポーランドに

●欧州EV業界における地盤強化を狙う

●24年の稼働予定、銅箔の年産量は5万トン

韓国SKグループのフィルム事業SKCはこのほど、欧州工場の建設地をポーランドに決めたことを明らかにした。電動車(EV)の急速な需要拡大に対応し、主要市場である欧州に生産拠点を設けることで、欧州EV業界における地盤強化を狙う。

工場の立地は南部スタロヴァ・ヴォラに新設された工業地区だ。投資額は9,000億ウォン(7,600億米ドル)で、来年上半期の着工、2024年の稼働を目指す。年5万トンの生産能力を整備する。SKCでは将来的に欧州生産能力を10万トンに引き上げる計画だ。

ポーランドには、EVバッテリー大手の韓国・LGエネルギーソリューション(旧LG化学)が工場を構える。同じ韓国のSKイノベーションとサムスンSDIがバッテリー工場を運営するハンガリーからも遠くない。このため今年5月にSKCの欧州工場設置計画が明らかになった時点から、同国が立地として有力視されていた。

銅箔はEV用リチウムイオンバッテリーの陰極材料として使用されており、EV需要とともに銅箔の需要も大きく伸びている。SKCの競合である韓国のイルジン・マテリアルズもブダペスト郊外に銅箔加工工場を建設中だ。

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