●「台湾との提携を継続する強い決意」=キシュ外務省局長
●互恵的関係の『好循環』を経済・貿易分野に拡大
カロル・ガレク副経済相を代表とするスロバキア訪問団が5日から6日間の予定で台湾を訪問している。10月にスロバキアを訪れた国家発展委員会のキョウ・メイキン(※明※※)主任委員(大臣に相当)の招待に応じたもので、台湾との関係強化を望むスロバキアの姿勢を示す形だ。訪問団の規模(43人)および参加する政府高官の地位からみても、2003年にスロバキアが台湾に代表処(大使館に相当)を開設して以来、「最大の規模」(台湾外交部、外務省に相当)という。
訪問団の一員であるルチア・キシュ外務省経済開発協力局長は、「パンデミックにも関わらず台湾を訪問したのは、台湾との提携を継続する強い決意があるため」、「台湾はスロバキアの最も重要な投資国の一つ」と発言し、台湾重視の姿勢を強調した。
キョウ主任委員は、スロバキアが今年9月、新型コロナワクチン16万本を台湾に提供したことに言及。台湾がパンデミック初期にマスクを数十万枚、スロバキアに寄付したことにも触れ、「このような相互協力関係は蔡英文総統が『好循環』と呼ぶもの以外の何物でもない」と良好な関係を評価した。そのうえで、「この好循環が経済・貿易分野での提携に広がるよう望んでいる」と期待を示した。
スロバキア訪問団の滞在中には、両国経済協力委員会の第1回会合など政府レベルのイベントのほか、投資関連の催しや企業間の商談会などが予定されている。訪問団のメンバーには政府関係者のほか、経済や学術界の代表が含まれる。
中東欧諸国の間ではこのところ、台湾との関係を強化する動きが目立っている。10月にはキョウ主任委員を団長とする台湾の経済視察団がチェコ、スロバキア、リトアニアの3カ国を訪問して数々の提携合意につながった。先月末から今月初めにかけては、バルト3国の議員団が台湾を訪問している。
中東欧諸国は期待していた中国による大型投資がなかなか実現しないのに業を煮やし、既に投資実績があり技術も高い台湾に改めて注目し始めている。中国が台湾を自国領とみなし、圧力を高めていることも、ソ連の衛星国として支配を受けていた過去の記憶を呼び起こし、台湾への親近感を強める方向に作用している。(※キョウは「龍」の下に「共」、※※キンは「金」の下に「金」を横に2つ。)