mRNA薬のキャリア開発・生産を政府が支援

ドイツ連邦経済・気候省は3日、伝令RNA(mRNA)医薬品の重要材料である脂質ナノ粒子(LNP)の開発・生産助成指針を発表した。mRNAベースの医薬品は効果と将来性が高いことが新型コロナウイルスワクチンで確認され、今後さらなる分野で画期的な新薬が開発・実用化されると見込まれることから、「mRNA医薬品分野で我が国の競争力を強化し、独・欧州のサプライチェーンを強靭化する」狙いだ。

mRNAは不安定で壊れやすいことから、細胞内に送り込むためにはキャリア(薬物送達システム=DDS)の一種である微細なLNPで包み込む必要がある。こLNPを高品質かつオーダーメイドで量産できるメーカーが世界に数社しかないことから、新型コロナワクチンの実用化で急速に高まった需要に供給が追い付かない状況となっている。

政府はこれを踏まえ、助成プログラムを作成した。支援対象となるのは(1)生産能力の増強に向けた取り組み(2)新たな生産技術の開発(3)新タイプのLNPの研究開発――の3分野。(1)は短期的な措置、(2)と(3)は中長期的な措置と位置付けている。支援額は投資コストの最大50%で、個別ケースでは80~100%に達する。助成申請の受付は2月1日に始まる見通しだ。

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