オーストリアが全成人にワクチン接種義務化、2月1日から施行

オーストリアで20日、18歳以上の成人に新型コロナウイルスワクチンの接種を義務付ける法案が議会の下院(国民議会)で可決された。上院の承認を経て2月1日から施行される。全成人を対象とする接種義務化はEUで初となる。

義務化の期限は24年1月末。妊婦や健康上の問題でワクチンを接種できない人、過去6か月間に新型コロナに感染して回復した人を除く成人が対象となる。当局は各家庭に通知を送り、接種を促す。3月15日からは警察が接種したかどうかのチェックを開始する。接種を拒否した場合は最高3,600ユーロの罰金が科される。

オーストリア政府は11月、新型コロナ感染者が急増する中、ワクチン接種が頭打ちとなり、西欧で最低クラスの水準にとどまっていることから、接種を義務化すると発表した。当初は14歳以上を対象とする予定だった。反発する動きが広がったことから、18歳以上に絞り込み、与党と主要野党の支持を得て法案可決に持ち込んだ。

EUでは多くの国が一部の職種(医療従事者など)、年齢層を対象に新型コロナワクチンの接種を義務化している。たとえば、イタリアは50歳以上、ギリシャは60歳以上が対象だ。全成人に義務付けるのは、オーストリアが初めて。ミュックシュタイン保健相は感染、重篤化を防ぐほか、ロックダウン(都市封鎖)の実施、中止を繰り返す状況から脱するための措置として理解を求めた。

政府は市民に接種を促すため、3月15日から接種者を対象とする宝くじの運営を開始することも決めた。当選者は最高500ユーロ相当の商品券をもらえる。

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