露鉄鉱大手メタロインベスト、脱炭素に向けた技術開発を加速

●CO2排出量の少ない原料を欧州に輸出していく意向

●同社は還元鉄生産で世界首位

ロシアの鉄鉱石・鉄鋼大手メタロインベスト(Metalloinvest)はこのほど、冶金や電気冶金で使用される原料の脱炭素化に向けた技術開発を行っていると発表した。同社オーナーの実業家ウスマノフ氏によると、今後は高炉メーカーと転炉メーカーの生産が減少するとともに、二酸化炭素(CO2)排出量の少ない生産技術が求められるようになる。同社は高品質でCO2排出量の少ない原料の生産システムの開発を加速させる方針だ。

同氏は国営ロシアテレビとのインタビューで、CO2排出量の少ない原料を欧州に輸出していく意向を示した。同社は還元鉄(HBI)を成型して押し固めた製品の生産施設をすでに4つ設置しており、5つ目の施設が完成すれば生産能力は1,000万トンに達する。

同社はHBI生産で世界をリードする他、ペレットでは世界2位の鉄鋼原料メーカー。鉄鉱石生産ではロシアと独立国家共同体(CIS)で最大の企業となっている。

メタロインベストはレベディンスキー精錬所及びミハイルフスキー精練所、オスコル電炉工場、ウラル鉄鋼工場、ウラルスクラップ社などを傘下に持つ。ウスマノフ氏は同社の49%の株式を保有している。

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