リトアニアの農業クラウドファンディングサイト、100万ドルの調達に成功

●サイトは農家の資金不足解消に向け投資家とつなぐもの

●持続可能な取り組みも支援

農業向けクラウドファンディングのプラットフォームを運営するリトアニアのヘビーファイナンス(Heavy Finance)はこのほど、100万ドルの資金調達に成功したと発表した。獲得した資金で6,000ドルから30万ドルの短・中期融資を行っていく予定。同社のプラットフォームは農家の資金不足解消に向けて投資家と農家をつなぐもので、農家による農機や土地の購入、運転資金の獲得の支援を目指している。

同社は貸し倒れリスクから銀行融資を受けられない農家に対し、最大1万ユーロのまでの資金を無担保で貸し付けている。1万ユーロを超える場合には土地や農機を担保にするのが特徴だ。

資金供給の一方で、持続可能な農業に向けた取り組みを優遇するサービスも提供している。対象となる取り組みは、環境汚染の少ない農機の購入、土壌による二酸化炭素(CO2)の固定、無耕農業など。同社によると、ブルガリア、ラトビア、ポルトガルにおける貸付総額1,350万ユーロのうち、65%が持続可能な農業に関連したプロジェクトに対するものとなっている。

農業は温室効果ガスをエネルギー産業に次いで多く排出しており、持続可能性を高める取り組みが不可欠だが、資金不足が課題となっている。一方、中小事業者は収益を上げるための資金確保もままならないのが現状だ。欧州委員会によると、農業部門の資金の不足額は198億ユーロから最大で466億ユーロに上る。

今回の資金調達にはポーランドのベンチャーキャピタル(VC)のブラック・パールズの他、bValue及びスタートアップ・ワイズ・ガイズ、個人投資家のマリウス・クリクシュトパティス氏やレンダブルCFOのアドリアン・ワトソン氏が参加した。

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