●子会社の事業内容は「金融サービスの提供および投資活動」
●同社は一部事業で西欧へのサービスを拡大中
ロシアIT大手ヤンデックスが昨年末、アイルランドに子会社ヤンデックス・ファイナンスを設立したことが明らかになった。同社はこのところ、一部事業で西欧へサービスを拡大しており、今回のアイルランド企業設置もこれと軌を一にする動きだ。商業登記簿によると、事業内容は「金融サービスの提供および投資活動」だが、詳細は明らかになっていない。
ヤンデックスは「ロシアのグーグル」と言われるIT大手で、検索エンジンから配車、電子商取引(EC)、食事宅配、食品即配まで、手広くサービスを提供している。本国ロシアのほか、東欧、中央アジア、トルコなどで営業しているが、西欧にも進出しつつある。
2021年には食品即配サービス「ヤンゴ・デリ」を英国、フランスで提供し始めたほか、ドイツにおけるクラウド事業に2,500万ユーロを投資する計画を公表した。また、フィンランドでデータセンターを、アムステルダムで事務所を運営している。
世界的には米系企業の勢力が強い電子ビジネスだが、ロシアや近隣諸国では、ヤンデックスの検索エンジンが米グーグルを抑えてトップを占める。ウーバーなどロシアに進出した企業との競争にもヤンデックスは勝ち抜いており、旧ソ連圏における地位は堅固だ。
2021年第4四半期(10-12月期)の売上高は913億ルーブル(10億ユーロ)、損失は39億ルーブル(4万6,100万ユーロ)だった。時価総額は約180億ユーロに上る。
(1RUB=1.50JPY)