ハンガリー中銀が8会合連続で利上げ、インフレ高止まりで

●0.5ポイントの上げ幅は市場予測を上回る

●中銀の利上げ幅は今後数カ月で3.5~4ポイントに=専門家

ハンガリー中央銀行は1月25日、政策金利を0.5ポイント引き上げ、2.9%にすると発表した。利上げは8会合連続。市場は0.3ポイントの上げ幅を予想していた。インフレ率が中銀の予想を上回る水準で推移していることから、大幅な追加利上げに踏み切った。

政策金利の下限となる翌日物貸出金利は2.4%から2.9%に、上限となる翌日物、7日物有担保付貸出金利は4.4%から4.9%に引き上げた。

同国の12月のインフレ率は前月から横ばいの7.4%となり、9カ月連続で中銀の上限目標値(4.0%)を上回った。これは2007年12月(7.4%)以来の高水準。食料や燃料価格の上昇に加え、労働市場の逼迫に伴う賃上げのコストを企業が価格に転嫁していることが大きい。中銀は今後について、12月から徐々に下がるとしていた前回の予想よりも低下のタイミングは遅くなるとの見方を示した。

中銀は声明で、持続的な価格上昇と国際物流コストの増加、賃金の急速な伸びがインフレ期待を高めていると指摘。インフレ見通しが目標値で安定するまで利上げを継続するとしている。エコノミストからは、中銀の利上げ幅は今後数カ月で「3.5~4ポイントにのぼる」(英キャピタル・エコノミクスのリアム・ピーチ氏)との見方が出ている。

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