CryoTRUCK

長距離用大型トラック向けの極低温圧縮水素(CcH2)貯蔵システムを開発するドイツの研究開発プロジェクト。約10分で水素タンクを充填し、1回の水素充填で航続距離1,000キロメートルの走行を目標とする。

当該プロジェクトは2022年1月1日に始動した。実施期間は3年半で、プロジェクト予算は総額2,500万ユーロ超。ドイツ連邦デジタル交通省(BMDV)が資金支援している。

当該プロジェクトを実施するコンソーシアムは2020年に発足した。水素貯蔵および燃料補給技術を開発するスタートアップ企業のクライオモーティブ(Cryomotive)、商用車大手MANトラック・アンド・バス (MAN)、商用車の改造を事業とするクリーン・ロジスティクス、タンクや水素充填技術の試験に関するノウハウを持つIABG、ミュンヘン工科大学で構成される。ミュンヘン工科大学は、モデリングやシミュレーション、コンセプト開発、炭素繊維複合材、金属成形技術などに関する知見で協力する。

極低温圧縮水素は、密度が高い特徴があり、液体状またはガス状の水素から生成することができる。既存の水素ガスのインフラを活用することもできるが、新たに液体水素のインフラを構築することもできる。

当該プロジェクトでは、2024年に80キログラムの水素貯蔵容量を持つ極低温圧縮水素タンク(エネルギー容量で2,600キロワット時超に相当)を、構造や駆動技術が異なる2種類の試験用トラックに搭載し、試験する計画。水素の充填には、新たに開発する極低温圧縮水素の充填システムを使う。

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