ドイツ連邦統計局と連邦経済省が7日発表した2021年12月の鉱工業生産指数(2015年=100、暫定値)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前月を0.3%下回った。減少は3カ月ぶり。建設業が7.3%落ち込んで全体を強く押し下げた格好だ。製造業は3カ月連続で増加した。経済省は製造業生産の足かせとなっている原材料・部品不足で緩やかな改善の兆しがあるほか、受注残高が極めて高い水準に達していることを踏まえ、製造業の景気には今後数カ月で勢い出てくるとの見方を示した。
製造業の生産指数は1.2%増加した。中間財が0.6%、投資財が2.5%の幅で拡大。消費財は0.5%後退した。
自動車・自動車部品は12.1%増となり、4カ月連続で伸びた。機械は3.7%減少し、2カ月連続で落ち込んでいる。
鉱工業生産は新型コロナウイルス感染の流行が本格化する直前の20年2月に比べると6.9%低い。
11月の鉱工業生産指数は当初の前月比0.2%減から0.3%増へと上方修正された。
21年全体の鉱工業生産は前年を実質3.0%上回った。コロナ禍前の19年比では5.5%低い。キール世界経済研究所(IfW)によると、好調だった新規受注が仮に順調に消化されていれば、21年の製造業生産高は実際の水準を約12%上回っていたという。原材料・部品不足が発生していなければ製造業生産はコロナ禍の痛手から完全に立ち直っていた計算だ。