化学大手の独BASFは7日、100%炭素中立のイソシアネートを初めて市場投入すると発表した。自社と顧客企業の二酸化炭素(CO2)排出削減につなげる考え。第2四半期(4~6月)から引き渡しを開始する。
「ルプラナートZERO M 70 R」という名のイソシアネートを開発した。ZEROはZero Emission、Renewable Originの頭文字を取った略語。資源の獲得から自社工場を出荷するまでの過程でCO2が一切、排出されない「製品カーボンフットプリント(PCF)」ゼロの製品だ。再生可能原料を使用したりグリーン電力証書を取得することで実現した。自ら排出したCO2を植林活動などで相殺するカーボン・オフセット認証は利用していない。
PCFゼロの認証は独認証サービス大手テュフ・ノルトが引き受けた。認証担当者は「ルプラナートZERO M 70 RのPCF計算を詳細に検証した。そして、これを初めて確認できたことをうれしく思う」と述べた。
ルプラナートZERO M 70 RはMDIポリイソシアヌレートパネル(PIR、Polyiso)と建造物断熱材用のポリウレタンフォームの生産に投入される。BASFは同製品の市場投入後、製品ポートフォリオをさらに拡充していくことを視野に入れている。