●「TRUAA」システムは米バークレー大学の開発が基
●性能は日本や台湾、米国と並ぶ水準
イスラエル地質調査所は7日、地震早期警報システム「TRUAA」の本格運用を開始したと発表した。米バークレー大学で開発されたシステムを基に2014年以来、試験運用してきたもので、初期微動を検出すると民間防衛隊を中継して10秒以内に国民へ警報が出せる。整備費用は4,500万シェケル(1,400万米ドル)で、米国や台湾、日本などと並ぶ水準という。
TRUAAは地震センサー120台からなる。主に死海や、ハイファに近いカルメル山の断層に沿って約10キロメートルおきに設置されており、24時間体制でエルサレムとロッドの管理センターにデータを送っている。マグニチュード(M)4.5を超える地震の初期微動が観測されると、民間防衛隊に直接情報が届き、サイレンやショートメッセージ、ラジオ・テレビ放送で地域の住民に知らされる。M6以上では全国に警報が出される。
ゾハル・グヴィルツマン地質調査所長は、「これまでのところ地震予知は不可能だが、警報システムの運用で、大きな揺れが来る前にできるだけ多くの人が自分の身を守れるようにしたい」とその意義を話した。一方で、運用を続けるには政府が年間1,400万シェケル(440万ドル)の予算を割く必要があるが、10億シェケルを超える地震対策費の総額に比べればごくわずかと指摘した。
イスラエルは東アフリカ大地溝帯上の地殻活動が活発な場所に位置する。過去を振り返ると平均して100年に1回、大きな地震が起きている。最後の大地震は1927年の夏で、今年95周年を迎える。(1ILS=35.91JPY)