スマートガラスのイスラエル・ガウジー、仏社買収でADAS市場に参入

●調光・遮光製品事業の強化と、ADAS分野への参入が狙い

●スマートガラスとADASを組み合わせ、より安全な走行を実現

スマートガラス技術を手がけるイスラエルのガウジー(Gauzy)は8日、仏ビジョン・システムズを買収したと発表した。調光・遮光製品事業の強化と、高度運転支援システム(ADAS)分野への参入が狙い。取引金額は公表していないが、買収発表と同時に、シリーズDラウンドで6,000万米ドルの資金を調達したことを明らかにしている。

ビジョン・システムズは1928年創業の設備メーカーRBEを前身とする。航空機、鉄道車両、自動車、船舶メーカーに直接、スマートガラス製品を供給するティアワン企業だ。また、カメラやセンサーを駆使したADASを手がけるセーフティーテックを傘下に持つ。ガウジーではスマートガラスとADASを組み合わせることで、バスやトラックの走行をより安全にできると考えている。

ガウジーは2009年の創業で本拠をテルアビブに置く。自動車、家電、建設などさまざまな業界向けにスマートガラス開発を手がける。独ダイムラーと調光ガラスの自動車への応用で提携するなど、多くの自動車メーカーと協力関係を築いている。現在も独BMW、韓国LG電子、独ブローゼ、米テキサス・インスツルメンツなどとの共同プロジェクトが進行中だ。

ガウジーには以前から米アイベックス・ベンチャーズ、イスラエルのオリーブツリー・ベンチャーズ(OTV)、シンガポールのブルーレッド・パートナーズ、ロシア系ワールデ(Waarde)・キャピタル、米包装材大手のエイブリィ・デニソンが資本参加していた。今回の資金調達で新たに米ウォールアイ・キャピタル、印3Aキャピタル、独ダヴィッドソン・キャピタルが加わった。

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